「さあ、成長の秋だ!」

長い夏休みが終わって、いよいよ幼稚園の一年の中でも最も充実した秋の学期にはいります。運動会、バザー、クリスマス、それらの行事に向かう歩みの中で
長い夏休みが終わって、いよいよ幼稚園の一年の中でも最も充実した秋の学期にはいります。運動会、バザー、クリスマス、それらの行事に向かう歩みの中で子どもたちはどのようにそれを受け止め、どのような関係の輪を広げて行くか、大きな成長の機会が開かれてゆくことでしょう。お母さんたちにとっても、忙しいけど、楽しい、みんなでつくり上げてゆく、学生気分に戻ったような、そんな時を大いに楽しんでくださるといいですね。
夏休みの間、子どもたちはどんなときを過ごしたでしょう。今年は幼稚園ではプールの日を何日か設けて見ましたが、これが好評だったようで、思わぬほど多くの参加者がありました。幼稚園の仲間と一緒にいるのが、やはり何よりも楽しいのかな。
わたしはいつもの夏のように、大きく移動することが多い夏でした。7月には夏の休みにはいるとすぐ、幼稚園の先生達と群馬県の世界遺産として登録された富岡製糸工場や群馬町の「絹の里博物館」、島村にある田嶋家の見学を兼ねて、甘楽教会と安中教会、島村教会の付属幼稚園を訪ねる研修旅行。明治開化の時代にいち早く日本の産業の近代化に取り組んだ絹産業の展開の様子を学びながら、その歴史とその地域にある教会の幼児教育とが深くかかっていることを知りました。
8月のはじめの3日間は、日曜学校の夏期学校のために群馬県の水上の奥にある日本バイブルホームで過ごしました。小学生、中学生、高校生、スタッフを含めて40名ほどの夏期学校ですが、幼稚園を卒園した人たちが、一緒に聖書の学びをしながらそれぞれ成長していく姿に触れることができるうれしい時間でした。今年はとんでもないハプニングがありました。利根川の上流にあるダム湖でカヌーにのって遊んでいたとき、大人3人が乗っていたカヌーが転覆して、水に投げ出されてしまったのです。ライフ・ジャケットを着けていますから溺れることはありませんでしたが、冷たい水の中から全身ずぶぬれで岸に上がり、転覆したカヌーを引き揚げました。3人の大人の年齢を合計すると226歳、大変な転覆・トリオとなりました。
8月の下旬には、東日本大震災で大きな津波被害を受けた岩手県の釜石に行きました。車で最近まで放射能汚染のために一部通行禁止になっていた常磐道を通って三陸自動車道から釜石に入りましたが、途中で石巻市や南三陸町、津波の襲撃で残された一本松で有名な陸前高田市などを通過しながら、復興の状況を見ました。地震のすぐ後三陸海岸沿いの町々を通って見た時の光景はまさに悲惨としか言いようのない状態でした。4年たった今は、ビルの屋上に乗っかった舟や瓦礫の積みあがった道は片付けられていましたが、所々で地面を高く盛り上げる工事が行なわれているだけで、すっぽりと津波に払われてしまった町々はいまなお荒涼とした何もない地面が茫漠と広がっているばかりで復興とはほど遠い状況であることを見てきました。釜石では、「ハートフル釜石」というセンターがあり、釜石市内に何箇所にも点在している仮設住宅を訪ねて「お茶っこサロン」を設けていますので、傾聴ボランティアとして参加し、手仕事をしながら、家を失った人、家族や親しい方をなくした人たち、ヘリコプターで救出された話しなど、それぞれの経験を分かち合う話に耳を傾けました。

園長  秋 山   徹

長い夏休みが終わって、いよいよ幼稚園の一年の中でも最も充実した秋の学期にはいります。運動会、バザー、クリスマス、それらの行事に向かう歩みの中で子どもたちはどのようにそれを受け止め、どのような関係の輪を広げて行くか、大きな成長の機会が開かれてゆくことでしょう。お母さんたちにとっても、忙しいけど、楽しい、みんなでつくり上げてゆく、学生気分に戻ったような、そんな時を大いに楽しんでくださるといいですね。

夏休みの間、子どもたちはどんなときを過ごしたでしょう。今年は幼稚園ではプールの日を何日か設けて見ましたが、これが好評だったようで、思わぬほど多くの参加者がありました。幼稚園の仲間と一緒にいるのが、やはり何よりも楽しいのかな。

わたしはいつもの夏のように、大きく移動することが多い夏でした。7月には夏の休みにはいるとすぐ、幼稚園の先生達と群馬県の世界遺産として登録された富岡製糸工場や群馬町の「絹の里博物館」、島村にある田嶋家の見学を兼ねて、甘楽教会と安中教会、島村教会の付属幼稚園を訪ねる研修旅行。明治開化の時代にいち早く日本の産業の近代化に取り組んだ絹産業の展開の様子を学びながら、その歴史とその地域にある教会の幼児教育とが深くかかっていることを知りました。

8月のはじめの3日間は、日曜学校の夏期学校のために群馬県の水上の奥にある日本バイブルホームで過ごしました。小学生、中学生、高校生、スタッフを含めて40名ほどの夏期学校ですが、幼稚園を卒園した人たちが、一緒に聖書の学びをしながらそれぞれ成長していく姿に触れることができるうれしい時間でした。今年はとんでもないハプニングがありました。利根川の上流にあるダム湖でカヌーにのって遊んでいたとき、大人3人が乗っていたカヌーが転覆して、水に投げ出されてしまったのです。ライフ・ジャケットを着けていますから溺れることはありませんでしたが、冷たい水の中から全身ずぶぬれで岸に上がり、転覆したカヌーを引き揚げました。3人の大人の年齢を合計すると226歳、大変な転覆・トリオとなりました。

8月の下旬には、東日本大震災で大きな津波被害を受けた岩手県の釜石に行きました。車で最近まで放射能汚染のために一部通行禁止になっていた常磐道を通って三陸自動車道から釜石に入りましたが、途中で石巻市や南三陸町、津波の襲撃で残された一本松で有名な陸前高田市などを通過しながら、復興の状況を見ました。地震のすぐ後三陸海岸沿いの町々を通って見た時の光景はまさに悲惨としか言いようのない状態でした。4年たった今は、ビルの屋上に乗っかった舟や瓦礫の積みあがった道は片付けられていましたが、所々で地面を高く盛り上げる工事が行なわれているだけで、すっぽりと津波に払われてしまった町々はいまなお荒涼とした何もない地面が茫漠と広がっているばかりで復興とはほど遠い状況であることを見てきました。釜石では、「ハートフル釜石」というセンターがあり、釜石市内に何箇所にも点在している仮設住宅を訪ねて「お茶っこサロン」を設けていますので、傾聴ボランティアとして参加し、手仕事をしながら、家を失った人、家族や親しい方をなくした人たち、ヘリコプターで救出された話しなど、それぞれの経験を分かち合う話に耳を傾けました。

上尾富士見幼稚園 えんだより 2015年9月号